ばんえいが大好き
平地とばんえいを売っている場外馬券場にいくと、たまに話しかけてくるオヤジがいる。
「ばんえいはやらねーんだ、平地だけ」「昔はやっていたんだけど、今はやらない」なかには「ばんえいは八百長だから買わねーんだ」なんていう人もいる。
わたしが、ばんえいのファンです、というとそのオヤジは去っていくのだけど、ほんと、なんなんだろうと思う。そんなこと言って、何になるんだ。こうやっていろんな人に、同じようなことを話しかけているのだろう。
去年は帯広競馬場でもいわれた。馬を止めてる、ムチを入れない、だからあやしい。
何言ってるんだ、今更。それがばんえいじゃないか、名騎手だからそうするんじゃないか。
確かに昨年はいろいろあった。でも、そのことをわかって競馬を見てきたんじゃないか。なのに、突然そんなことを言い始めたのが気になった。でも、そんなこと話して、なんでここにいるんだろう。いろんな人に、そんな話をしてるんだろうか。自分がやっていることの影響をわかっているんだろうか。
そういえば昔、ばんえいにはまりだした人が、ある日関係者と一緒に飲みに行って、さんざん嫌な話を聞かされて、「ちょっとばんえい嫌いになりかけた」と言っていた。この関係者とやらは、自分の愚痴を聞いてもらうことで、大事なものを失おうとしていることに気付いていないのか。
この周りでは、ばんえいをなんとか盛り上げようとして、守ろうとして、ものごとを客観的に見ながらがんばっているような人が、悪く言われることが多いような気がする。ばんえいに限らず、競馬の世界では、ということなのかもしれない。
そして、何か言われている人の多くは、言い返すでもなく、自分ができることをただ、やり続けている。
見ていて悔しく、もどかしい。
人の悪口を言うような人の言うことは、信じないか、疑ってかかる。私はできるだけ、そのようにしていきたいと考えている。
でも、その悪口を信じてしまう人はいる。
もしかすると、逆に自分がだまされているかもしれない。悪口を言っている人の言うことが、真実なのかもしれない。でもそんなことはどうでもいい。わたしは「ばんえいが大好き」。
関係者に、その気持ちが伝わっていないのかもしれない。「私はばんえいの世界が大好きで、ずっと残っていてほしい。馬も騎手も尊敬していて、みんな大好き。」そのことを、もっともっと表現し続けるしかないのか…と考えている。
6年前の署名用紙のように形にはならないけれど、たくさんの人がその気持ちを表に出していけば、何かが変わるだろうか。
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